脱毛レーザーの種類を謳うエステやクリニックはそう多くはありません。

そこで今回は

レーザーの種類って何があるの?

レーザーの仕組みについて知りたい!

そんな疑問に答えてみたいと思います。

そもそもレーザーとはなんなのでしょうか?

レーザーって言うくらいだから光がビームみたいに出てるんでしょ?

と思った方!体はバラバラにはなりませんが正解です笑

でももう少し掘り下げてみますと、なんとかの有名な開発者、アインシュタインの論文まで遡ります…っていうと意外に思われるかもしれません。

A・アインシュタインの論文「放射の量子論について」(1917)がレーザーの始まりとされています。

ちなみに”レーザー”という言葉自体はゴードン・グルードが1959年の学会で発表した論文の中で初めて登場したといわれています。その論文の中で”Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation”(誘導放出による光倍増放射)の頭文字がLASER、つまりレーザーです。

自然光は様々な波長がありますが、日常生活ではそんな光の波長を気にする事はまず無いでしょう。

一方、レーザーは単一波長と言って同じ長さの波長を安定して出力できる人工的に作られた光です。

レーザーの光をもう少し詳述します。

レーザーは、レーザー発振器の中にある媒質によってその特徴が変わります。鏡2枚で媒質を挟みエネルギーを加えます。

すると、熱バランスに差が生じ、媒質の中で光の自然放出が進みます。

この光が2枚の反射鏡を往復し、一定エネルギーを上回るとレーザー光が放出されるという仕組みです。

脱毛レーザーの種類

さてレーザーの仕組みをなんとなく理解したところで、次にレーザーの種類について紹介します。

脱毛レーザーと一言で言っても、レーザーの媒質によって次の2種類があります。

脱毛に用いるレーザーの種類

・固体レーザー
・半導体レーザー

固体だとか半導体だとか出てきましたけれど、その前に「媒質ってなに?」と思われたかと思います。

媒質とは

音が聞こえるのは大気が媒質になって鼓膜が震えて聞こえるように、レーザーも何かが媒質となりレーザーを放出します。

この媒質の違いによって、さらにレーザーの種類は次のように細分化できます。

媒質固体のレーザーの種類

・アレキサンドライトレーザー
・ヤグレーザー(YAG)

アレキサンドライトレーザーは媒質がアレキサンドライトという宝石が媒質になっています。

アレキサンドライト

YAGレーザー(ヤグレーザーと読みます)はyttrium(イットリウム)aluminum(アルミニウム)garnet(ガーネット)を結晶構造に持つレーザーです。

媒質が半導体の脱毛レーザー

・ダイオードレーザー

半導体レーザーはダイオードレーザーに代表されるように媒体が半導体のものが使われます。

日本で使われる脱毛レーザーまとめ

ここまで紹介した媒質の違いから、日本で現在用いられている脱毛レーザーはこれら3つが主流です。

3つの医療用脱毛レーザー

・アレキサンドライトレーザー
・ヤグレーザー
・ダイオードレーザー

ちょっと蛇足 宝石の名前がつくその他のレーザー

宝石の名前がつくレーザーはこれらの他に2つあります。ルビーの結晶にクロムを添加した「ルビーレーザー」

サファイヤにチタンを添加した「チタンサファイヤレーザー」

ルビーレーザーはシミ取りなどでも大変優れたレーザーです。

チタンサファイヤレーザーは主に研究などに使うレーザーです。

レーザーってこうした宝石の名前がよく出てくるので、思わずわくわくしてしまいます^^

レーザーの特徴

さて話をレーザーに戻します。

ここまでレーザーの媒質の違いから3つのレーザーが使われると説明しましたが、それぞれの特徴は何かについて説明していきます。

アレキサンドライトレーザーの特徴

波長が3つの中では755mmで、この波長のレーザーはメラニン吸収に優れ、黒い毛(メラニン色素)が光エネルギーを吸収し熱に変わり、その熱によって毛の組織を破壊していきます。

毛が黒く肌とのコントラストがある日本人に向いているレーザーです。

ただし、前述したようにメラニンに吸収されるという事は日焼けした褐色の肌や色の薄い産毛などには向いていないという事です。

※2021年現在、産毛にも対応するレーザーが徐々に出てきています。脱毛レーザーは機械がとても高価なので、どのクリニックもすぐに導入されたり全ての種類のレーザーを取りそろえる事は難しいので、産毛処理を目的とする場合は事前に確認したほうが良いでしょう。

ヤグレーザーの特徴

波長は1064mmと3つのレーザーの中ではいちばん深いところまで到達します。

根深い毛に有効

ヤグレーザーはメラニンに対する吸収率が高くないのが特徴で、つまり褐色の肌、色素沈着を起こした肌に有効です。

やけどのリスクも軽減できます。

ダイオードレーザーの特徴

波長は810mm~940mmで、3つのレーザーの中ではちょうど間くらいの深さです。

アレキサンドライトレーザーよりも色素の影響を受けず、毛質・肌質に左右されないという長所があります。

なた、高出力でもやけどのリスクが低いです。

レーザーの特徴まとめ

レーザーの特徴をまとめると次のようになります。

名称波長特徴
アレキサンドライトレーザー755mm黒い毛に効果的
ヤグレーザー1064mm日焼け肌に効果的
ダイオードレーザー810mm~940mm毛質・肌質に左右されない
脱毛レーザーを特徴でまとめた

まとめ

今回は脱毛レーザーの種類を説明しました。

3つとも大変優れたレーザーです。どれも私の大好きな機械で、甲乙つけられるものじゃあございません。

強調したいのは、「どのレーザーも優れていて、優劣をつけられるものではない」という事です。

当然向き不向きはあるので、「どれをやればいいか?」について別記事で説明します。

今回はレーザーには日本で3つあるよ。種類によって特徴があるよというのがわかればオッケーです。

もしあなたがクリニックで脱毛する際に説明を受けると思いますが、その時に「当院では〇〇というレーザー脱毛機を使用しており、種類は△△で・・・」なんて聞いたときに「あぁ知ってる知ってる」と納得できれば、少なくとも得体の知れないものを自分のカラダにあてるような不安は解消されると思います。

なかなか脱毛のメカニズムまで調べて納得して脱毛する人って、正直いままでの患者さんでいなかったのですが、もしかしたら気になる人もいるかなという思いでこの記事は書かれています。一人でも多く脱毛レーザー選びを迷わず決められて納得してもらえる事を願います。