「脱毛は1回レーザー当てたらもう生えてこないんじゃないの?」
初めて大家(このサイトのもう一人の管理人)がうちのクリニックに来院した時の最初の質問がこれでした。
彼は人生で脱毛をしたことがなく、本当に知識も無かったので詳しく絵を書いて図解したりして一つ一つ彼の疑問を解消してあげたりしていました。
ちなみに私自身も脱毛をしています。(そりゃもう何度も)
そんな私にとって脱毛とは、毛を減らす(無くす)ことで見た目にも自信を持てるようになったり、いままで処理にかかっていた時間がういたり、カミソリを肌に当てる必要がなくなったりと、心理的時間的身体的にメリットを多く感じています。
今思えば、脱毛したい人にとっては自分の体から毛が生えてこないイメージこそあるものの、それまでどういったプロセスがあって毛が生えなくなるのか。。。
そこまで考えたり調べたりしてからクリニックを訪れる人は少なかったなと思います。
そこで、今回のテーマ
について詳しく説明していきます。
脱毛とは?定義はなに?
「脱毛」は広辞苑にはこのように書いてあります。
脱毛
1 毛の抜けること。ぬけ毛。
2 美容のために不要の体毛を取り去ること。除毛。
広辞苑
私たちがこのサイトで使っている脱毛は2になります。
しかし「脱毛」という言葉に「永久」が付くと、あなたはどう感じますか?
「永久脱毛」
広告やインターネットでよく見かける単語ですよね。
しかし残念ながら「永久脱毛」は私たちの希望的な勘違い表現なのです。
正しく理解するなら、「永久減毛」
その意味を詳しく説明しましょう。
もともと永久脱毛というのはなく永久減毛
1980年代にハーバード大学のロックス・アンダーソン教授が”メラニン色素(つまり毛の色)をターゲットに光の熱を作用させる事ができる。”とした「選択的光熱融解理論」を確立しました。
そしてロックス・アンダーソン教授は「永久脱毛」ではなく「永久減毛」を提唱しました。
脱毛の生みの親は毛を完璧に無くすためではなく減らす事に焦点をあてていたのですね。
また、アメリカ電気脱毛協会(American Electrology Association)は「永久脱毛」の定義について「最終脱毛から1か月後の毛の再生率が20%以下である脱毛法」としています。
なので、脱毛の施術を受けてから1か月が経って2割程度しか毛が生えてこなくても「永久脱毛」と言えるのです。
え?毛が生えてくるなら脱毛じゃないじゃん!
と思いませんでしたか?実際に大家はそのようなリアクションをしておりました笑
ですので、1回レーザーを当ててはい、終わり。ではないのです。少なくとも数回はレーザーをあて、1か月くらい経っても2割残っても、まだなおレーザーを当てて完全にすべての毛穴から毛根を焼き切るまでは満足できない方がたくさんいます。
本来の永久脱毛のイメージはそういう感覚ですよね。
理想とする永久脱毛というのは、とても長い期間を要する。ということですね。
日本におけるエビデンス紹介
日本では、2016年にシネロン・キャンデラ社の脱毛機が厚生労働省に認可されました。
その認可にはこうあります。
レーザーの選択的熱作用による長期的な減毛
「使用目的」より
「長期的な減毛」と言っても「一生にわたり毛が生えてこない」とは言ってないわけです。
これはお役所的言葉遊びかと思う方もいるでしょうが、現場からすれば的を射ています。
まとめ 甘い言葉にダマされない
永久脱毛の定義について長々と解説しましたが、脱毛の中でも特に”永久”とあたまにつけることで様々な誤解やデマがはびこっています。
正しく知識を整理し理解することで広告やキャッチコピーに踊らされることなく、冷静で適切なクリニック選びができると思います。