今回はニードル脱毛について書きたいと思います。

ニードル脱毛とは

ニードル脱毛とは、絶縁針(あとで解説します。)を毛穴に毛に沿うように刺して発毛組織である毛乳頭や毛根を破壊する脱毛方法です。

ETL脱毛とも呼ばれます。(※ETL:Electro Thermo Lysis)

ニードル脱毛の起源

ニードル脱毛の起源は1875年、アメリカで眼科医をしていたチャールズ・E・ミッチェルが逆さまつげの治療として電流を用いた電気分解法と呼ばれる治療を行ったことがニードル脱毛のはじまりとされています。

ニードル脱毛が日本で流行ったきっかけ

日本では、1960年代にノースリーブなどの服装の流行とともにワキ脱毛が徐々に浸透していきます。

1970年代に入ると、海外よりニードル脱毛機が輸入されるようになり市場はさらに拡大していきます。

1997年にレーザー脱毛が輸入されるまでの間は

”脱毛=ニードル脱毛”

といってよい程ニードル脱毛は主流だったのです。

つまり、ニードル脱毛は日本では30年近く、脱毛分野では王道だったということですね。

ニードル脱毛機ってどんなもの?

先ほどニードル脱毛の定義のところで「絶縁針」という単語を使いました。

ここで少し図解します。

ニードル脱毛の針はこんなイメージです。
ニードル脱毛の針はこんなイメージです。

針上部に絶縁コーティングがされていることで電気を0.25~0.5秒流しても表皮(つまり肌)をヤケドしないように作られています。

ニードル脱毛の施術方法

私が施術する手順としては、毛の走行に沿って毛穴に絶縁針を刺入します。

刺した直後に電流を流し、電流が流れた毛をピンセット(鑷子:せっしと言います)でつまむと何の抵抗もなく毛がスルスルっと抜けます。

これで1本の脱毛が完了です。

ニードル脱毛の施術スピードは?

1分間で焼く8本~10本の毛の処理が可能です。

ニードル脱毛のメリット・デメリット

次にニードル脱毛の長所と短所について解説します。

ニードル脱毛は前述したように絶縁針を刺入し電流を流します。

それにより毛乳頭を直接破壊する方法なので、メラニンの有無に左右されません。

ニードル脱毛のメリット

メリット①毛の色に関係なく脱毛できる

それはつまり、ニードル脱毛はレーザーと違い白い毛にも効くということ。

ここで復習

レーザー脱毛がなぜ白い毛に効果がないのか、わからない人はこの記事をチェック!

レーザー脱毛の効果を左右するジュールについて

ニードル脱毛はなぜ白髪にも効果があるのか

白い毛に有効な理由としては、

”メラニンの有無は関係ない”から。

メラニンに関係なく白い毛も黒い毛もOKだし、色素の濃い部分、たとえば、ほくろ毛やアザがある部分、さらにタトゥーや乳輪の上に生えた毛にも有効です。

メリット②生え方のデザインを細かく調整できる。

ニードル脱毛は1本1本の毛に対して丁寧に処理していくため、時間はかかるもののその分だけ細かく生え方を整えながら脱毛ができます。

ニードル脱毛のデメリット

デメリット①時間がかかる

上述のメリットで書きましたが、デザインを整えながら脱毛できるニードル脱毛は、その分だけ1回の施術時間も長いです。

エリア(面)で処理できるレーザー脱毛に比べ、毛穴(点)で処理するニードルは他の脱毛機に比べて時間がかかります。

デメリット②痛い!笑

時間がかかるのはしょうがないことだと受け入れる人も多いと思います。

しかし、痛みについては個人差がありますから、耐えられない方も中にはいます。

一瞬の痛み(0.25~0.5秒)のチクッとした痛みが、生えている毛の数だけ生じるわけなので、気も意識も遠くなりそうに思いますよね。

痛みへの対処法

ニードルの痛みに対する対処として、クリニックにもよりますが局所麻酔(注射、これもチクッとしますけれど笑)

クリーム麻酔、笑気麻酔(これはガスを吸うタイプ)を用意して、痛み対策を講じます。

ニードル脱毛を受ける際にはこの点をカウンセリング時にきちんと確認しましょう。

脱毛の痛みに対するベストアンサー

私の経験上、いろいろな麻酔を試してみましたが、実は最も人気だったのはこれらのどれでもありませんでした。

アイシング(冷やす)がとても人気で、これは私の経験則に基づく、まぁ、行ってみれば企業秘密に近いようなものですね。

ニードル脱毛を受けた皮膚はどうなる?

ニードル脱毛は表皮(つまり肌)はヤケドしません。

ですが、表皮よりさらに中は熱エネルギーが加わるので毛穴がポツポツと赤くことが多いです。

しかしこれらのポツポツは施術後に処方される軟膏を塗っておけば1週間程度で消失します。

ニードル脱毛の種類

ニードル脱毛と言っても種類は豊富で、主に以下の4つがあります。

ニードル脱毛の種類
  1. 電気分解法
  2. フラッシュ法
  3. ブレンド法
  4. 絶縁針法

これまで④絶縁針法の話しか出ませんでしたね。

ここで初めて出てきた①②③はなにかというと、エステが施術するニードル脱毛を指します。

エステは①から③の施術を”独自開発した脱毛器”と謳っています。

なぜ④をエステはやらないのかというと、これまで解説したように、「針を刺す」行為は医療行為なのでエステでは絶縁針法を受けられません

絶縁針法をエステは”施術しない”のではなく”施術できない”のです。

針を入れるのがなぜ医療行為なのかというと、人体に針を中まで入れるわけなので、感染症予防対策や血液検査を実施するため、医師でないとできないからです。

痛みを訴える患者さんには疼痛緩和(つまり麻酔)が必要ですし、術後に赤いポツポツがでたら軟膏を処方する。

これらはいずれも医師が許された医療行為のため、エステではできないのが実状です。

まとめ

今回はニードル脱毛について解説しました。

ここまで読んでくださった方のなかで白髪などの白い毛に対してアプローチできないかなと悩んでいるなら、ニードル脱毛のこの記事を思い出してくれたら幸いです。

”私たちは正しい脱毛を知ってほしい”